接客業から転職したいワーママにおすすめの職種と業種

もともと接客業が大好きでやりがいを感じていた人でも、「子どもが生まれてから接客業が難しくなってきた」と思うことが多いです。仕事内容に対するやりがいとプライベートとの両立が見合わなくなり、別職種への転職を検討する接客業ワーママもいます。

本記事では、接客業から転職したいワーママに向けて、転職ノウハウを解説します。接客業経験が豊富な人におすすめの職種や具体的なキャリアチェンジ対策にも触れるので、参考にしてみましょう。

ワーママが接客業から転職を考える4つの理由

接客業は、もともと「好きだから続けている」という人が多い業種です。

しかし、ワーママになった途端「接客業を続けるのは難しい」「接客業以外の仕事に転職したい」と考える人がいるのも事実。

ワーママが接客業から転職を考える理由を探り、自分の働き方に該当しないかチェックしてみましょう。

1.シフト勤務で保育園の送迎が難しくなるから

接客業の場合、勤務先が朝早くから夜遅くまで店舗が営業していて、シフト制勤務になることが多いです。

結果、以下のような困りごとが発生することも。

困りごと	詳細
送迎時間とシフトが合わない	朝や夕方の保育園の送迎時間に勤務が重なり、子供を預けられない・迎えに行けない
急なシフト変更に対応でいない	突然の勤務変更・残業・欠員補充に対応できず、肩身が狭い
早朝・夜間勤務による生活リズムの乱れ	朝早くや夜遅い勤務が続くと、子供の生活リズムや家庭のスケジュールが乱れやすい
休日出勤や連勤で家族の時間が取れない	週末や連休に勤務が入ると、家族との予定や子供の行事に参加できない
親やパートナーへの負担増	シフトが不規則なため、送迎や家事を周囲に頼らざるを得ない状況が増える

職場によっては固定のシフト時間帯だけに限定して雇い続ける場合もありますが、正社員でフルタイム勤務の場合は基本的にシフト勤務への対応が必須です。

時短勤務にしても、どこまで融通を利かせてもらえるかは職場次第と言えるでしょう。

2.土日祝日の勤務が必須だから

一般的に接客業が最も忙しくなるのは土日祝日や、夏休み・お盆・年末年始など長期休暇中です。

日曜・祝日はお休みの保育園や学童が多く、子供の預け先に苦慮して転職を考えるワーママも。

困りごと	詳細
土日の行事に参加できない	運動会や授業参観などの行事と勤務日が重なり、参加できないことがある
家族との時間が取りにくい	レジャーや親戚とのイベントに参加しづらい
保育園・学童との調整が難しい	休日勤務に合わせて特別保育や延長保育を利用する必要があり、手続きや費用の負担が増える
自分のリフレッシュ時間が確保しにくい	週末も勤務が入るため、平日の疲れを回復する時間や家事の負担軽減ができない
交代要員やサポートが必要	休日勤務の際にパートナーや親など周囲の協力が必要になり、負担が偏る

土曜保育に対応している保育園であっても、「利用者が少なくて子供が退屈になる」「お弁当が必要で朝晩の負担が増える」などのデメリットがあります。

お盆や年末年始は閉所している保育園が多いので、事前の確認は欠かせません。

3.フル出社が前提で柔軟な働き方ができないから

接客業は基本的にフル出社が求められる職種であり、リモートワークができません。

オンライン接客できる企業も少しずつ増えていますが、接客業全体における割合はまだまだ少なく、「出勤しないと仕事にならない」ことが大半です。

困りごと	詳細
急なトラブルに対応できない	子供の体調不良や学級閉鎖など、予期せぬ出来事に柔軟に対応できない
通勤の負担が増える	リモートワークが認められないと、通勤の負担が増える
生活リズムの融通が利かない	通院・習い事の送迎など、自分や家族の生活スケジュールに合わせた調整ができない

多様な働き方が認められるようになっている今の時代。

「他職種がリモートワークやフレックスを使ってフレキシブルに働いているのが羨ましい」と感じられることも多いです。

4.子育てと両立しながらキャリアアップする将来像が見えないから

接客業が好きでなんとか仕事やプライベートを調整しながら勤続することができても、キャリアアップできるかは別問題です。

接客業でキャリアアップする場合、店長やマネージャーなど「管理する側」に回る必要があります。

とはいえ、時短勤務のままマネージャー業ができる企業は少ないのが現状。

キャリアアップを目指す場合、フルタイム勤務や残業・休日出勤が求められるので注意しましょう。

困りごと	詳細
キャリアの見通しが立てにくい	不規則なシフト勤務や残業が多いと、昇進やスキルアップの道筋を描きにくい
ライフイベントとの両立が難しい	第2子以降の妊活タイミング迷うなど、ライフイベントとの両立に悩みが生じる
長期的な成長への不安	子育てと両立しながら成果を出し続けられるか、将来に対する不安が強くなる
モチベーションの維持が難しい	将来像が描けず、仕事への意欲ややりがいを保ちにくい。

仕事にやりがいを求める人ほど、接客業ではなく他の職種でキャリアアップを目指そうという思考に変わっていきます。

年収や待遇を少しずつ向上させるためにも、早い段階で他職種に移るのはひとつの手段と言えるでしょう。

接客業から転職する人におすすめの業種・職種

「接客業の経験しかないから、接客業にしか転職できない」という心配はいりません。

比較的勤務時間が安定しており、家庭との両立がしやすい業種・職種への転職も可能です。

接客業の経験を活かせる業種・職種は多いもの。以下で詳しく解説します。

営業職

営業職は、接客業時代に培ったコミュニケーション能力や提案力を活かせる仕事です。

特に成果を重視する職種として知られており、時短勤務のワーママでも高収入が狙えます。

メリット
働き方の柔軟性が高い	企業や商材によっては、直行直帰やリモートワークが認められている
成果が数字で見える	売上や契約数など成果の基準が明確なので、時短勤務でも成果を示しやすい
キャリアアップの可能性がある	成績に応じて昇給・昇格のチャンスがあり、子育てと両立しながらキャリアを積める
給与体系が比較的成果連動型	基本給＋インセンティブ型の企業もあり、努力次第で収入を上げられる

自分でスケジュールを管理できることが多く、育児との両立に有利なのもメリット。

インサイドセールスなど営業職の幅も広がっていて、リモートワークでの勤務も可能です。

カスタマーサポート

カスタマーサポートとは、顧客からが抱える課題・問題を解決したり問い合わせ対応をしたりする職種です。

メリット
接客経験を活かせる	接客業で培ったコミュニケーション力や顧客対応力を直接活かせる
勤務時間が安定している	シフト制でも日中勤務が中心で、送迎や家事との両立がしやすい
マニュアルやスクリプトが整備されている	未経験歓迎求人も多く、育児と両立しながら仕事を覚えやすい
業務が予測しやすい	顧客対応のパターンがある程度決まっており、計画的に業務を進めやすい
成果が評価しやすい	対応件数や顧客満足度など、定量的に評価されやすい

コールセンター内で電話・メール等で問い合わせ対応することもあれば、チャットやオンラインミーティングツールを使って対応することもあります。

なかには問い合わせ業務をリモートワークで解決している企業もあり、働き方の柔軟性が上がっています。

事務職

事務職では、接客業自体に培った「在庫管理」「シフト管理」「取引先や仕入れ先との調整」などの経験を活かせます。

メリット
勤務時間が安定している	平日の日中勤務が中心で、子供の送迎や家事との両立がしやすい
残業が少ない	定時で終わることが多く、体力的負担が少ない
業務内容が明確で予測しやすい	ルーティンワークが多く、計画的に仕事を進められる
評価が安定している場合が多い	業務の定量化がしやすく、時短勤務でも成果を示しやすい
精神的負担が比較的少ない	接客業に比べ、顧客対応やクレーム対応のストレスが少ない場合が多い

事務職はどの業種でも必ず必要なので求人数が多いのがポイント。

Excelで関数やマクロが使えるなど一定の事務処理能力があれば、採用の確率もグッと上がります。

接客業から転職する人がアピールしたい5つのスキル・経験

接客業の経験が長い人は、他の仕事でも活かせるスキル・経験が身についています。

以下に注目して、自分の強みを見つけていきましょう。

スキル・経験	アピールポイント
コミュニケーション力	顧客対応やクレーム対応で培った、相手の要望を正確に理解して適切に伝える力
問題解決力・臨機応変さ	想定外のトラブルやクレームに迅速に対応する力
接客・販売実績	月ごとの販売実績や個人での売上実績など目に見える評価
チームワーク・協調性	シフト勤務やチーム内の連携で培った、周囲と協力して目標を達成する力
忍耐力・体力	長時間勤務・立ち仕事・忙しい環境で培った持久力と集中力

「他業種・職種に転職したい」と考えるワーママは、接客業での経験を全力でアピールしていきましょう。

スキルをアピールするトークスクリプト例

接客業経験の長いワーママがアピールしたいスキル別に、トークスクリプトを紹介します。

接客業で培ったコミュニケーション力・問題解決力・忍耐力などは、どの業種でも役立つスキルです。

このあとに「例えば、こういうお客様がいて…」と実際のエピソードを起承転結で話すと短時間でも印象的にスキルを伝えられます。

「自分にアピールできるスキルがあるだろうか」と不安になる必要はありません。普段当たり前にやっていることを一つ一つ思い返してみると、上記のトークスクリプトに当てはまる行動があるはずです。

接客業から転職するときの3つのコツ

ここからは、ワーママが接客業から転職する場合の転職ノウハウを解説していきます。まずは転職時のコツから解説するのでチェックしてみましょう。

1.希望条件を明確にする

転職活動を始めるとき、多くのワーママが「自分の希望をどう整理したらいいのかわからない」と悩むもの。

育児と両立しながら働きたいのであれば、以下の項目別に希望条件を明確にしておきましょう。

1. 勤務時間
2. 勤務曜日
3. オフィスへのアクセス
4. 仕事内容
5. 年収・給与
6. 雇用形態
7. 働き方
8. 福利厚生

項目別に可視化すると、わかりやすくなります。

希望条件をあらかじめ明確にしておくと応募先企業を絞り込みやすくなり、無理のない転職活動ができます。

2.応募先企業の求めるスキルと接点を整理する

「自分の経験が本当に役立つのかわからない」と不安になったときは、応募先企業の求めるスキルと接点を整理しましょう。

判断しづらいときは、求人票に記載されている「求める人物像」を参考にするのが近道です。

求める人物像（求人票例）	マッチするスキル例（接客業経験）
人と接するのが好きで、コミュニケーション力がある方	お客様対応、クレーム対応の経験
臨機応変に対応できる方	急なトラブル対応、状況判断の経験
チームワークを大切にできる方	シフト勤務でチーム連携してきた経験
責任感が強く、最後までやり抜ける方	長時間勤務や繁忙期を乗り切ってきた経験
数字や成果を意識して行動できる方	売上、仕入れ、顧客満足度を管理してきた経験
新しいことに挑戦し、学習意欲がある方	新商品やキャンペーン対応を楽しんできた経験

接点の多い企業に応募すると、即戦力として評価され内定の確率が上がるのがメリットです。

3.時短勤務や育児との両立について戦略的に伝える

単に「育児があるので時短勤務希望です」と伝えるのではなく、戦略的に働き方との両立を示すことが成功の秘訣です。

自分の経験やスキルを活かして短い時間でも成果を出せること、効率的に業務を進める工夫をしていることなどを具体的に話しましょう。企業側も納得しやすくなり、内定率が上がります。

転職エージェントでできるキャリアチェンジ対策7選

自分ひとりで転職することも可能ですが、転職エージェントを使うとより効果的・効率的に転職できるのがメリット。

特に、日々忙しいワーママが未経験の業種・職種でキャリアチェンジを目指す場合、転職エージェントを頼るのがおすすめです。

1.キャリアチェンジしたい理由の掘り下げ
2.転職先でのキャリアプランの可視化
3.仕事と両立しやすい時短正社員求人の紹介
4.接客業での経験を自己PRに変える方を指導
5.応募書類の添削・ブラッシュアップ
6.面接対策・トークスクリプト作成
7.給与・勤務条件の交渉サポート

転職エージェントでは、キャリアチェンジしたい理由はもちろん、今後のキャリアプランに至るまで個別に可視化してくれます。

「子供が大きくなってからのキャリアイメージ」「仕事とプライベートの両立について」など、答えに迷ってしまうような質問にも対策できるので、上手に活用していきましょう。

まとめ

接客業は非常にやりがいのある仕事ですが、子育て・家庭との両立が厳しい職種でもあります。
早番・中番・遅番を含むシフト勤務やテレワークできない職種であることを懸念し、他職種に転職するワーママも少なくありません。

接客業から他の業種・職種に転職したい方は、「リアルミーキャリア」にご相談ください。
時短勤務やリモートワークができる求人を多数取り扱っているほか、書類作成代行や面接対策など十分な選考対策ができます。キャリアチェンジをご検討中の人は、お気軽にご相談ください。